管理費・修繕積立金の滞納 督促状の文例と書き方
公開日: 2026-07-01 / 更新日: 2026-07-28
管理費や修繕積立金の滞納は、どのマンションでも起こりうる問題です。うっかり払い忘れているだけのケースもあれば、繰り返し滞納が続くケースもあり、理事は状況に応じた対応を求められます。この記事では、督促状の文例を段階別に紹介し、角が立たない書き方のポイントを、必ず入れるべき要素やNG例・OK例とあわせて解説します。
督促は段階を踏むのが基本
いきなり強い調子の督促状を送ると、単純な払い忘れの居住者との関係を悪くしかねません。次のように段階を踏むのが基本です。
- お支払いのお願い(初回) — 行き違いの可能性を前提に、やわらかい表現で確認を促します。
- 督促状 — 期限を過ぎても入金が確認できない場合に送ります。期限を明記します。
- 最終通告 — 督促を重ねても改善しない場合に送ります。今後の対応(管理会社・弁護士への相談など)に言及します。
書き方の共通ポイント
- 事実(金額・対象期間)を正確に書く — 「○月分〜○月分、合計○○円」のように具体的に記載します。
- 感情的な表現は避ける — 「非常識」「迷惑」といった言葉は使わず、事実を淡々と伝えます。
- 相談窓口を明記する — 一括での支払いが難しい事情がある場合の相談先を示すと、無用な対立を避けられます。
- 個別に送付する — 滞納は個人情報にあたるため、掲示板への掲示ではなく、必ず個別の書面・郵送で伝えます。
滞納者の氏名や部屋番号を掲示板で公表することは、名誉毀損やプライバシー侵害のおそれがあり避けるべきです。詳しくは「管理費滞納者の氏名公表はできる?」で解説しています。
督促の段階別タイムライン
各段階をどのくらいの間隔で送るかに決まった基準はありませんが、次のような流れで進めると、感情的な対立を避けながら段階を踏めます。
それでも入金や連絡がない場合の法的な手続き(内容証明郵便、支払督促、少額訴訟など)については「マンション管理費・修繕積立金の滞納対応|督促から法的措置までの進め方」で段階的に解説しています。段階を急ぎすぎると相手の反発を招き、逆にゆっくりしすぎると滞納額が膨らみ続けるため、状況を見ながらバランスを取ることが大切です。
第1段階:お支払いのお願い(文例)
管理費等のお支払いについて(ご確認) 平素より管理組合運営にご協力いただきありがとうございます。 ○月分の管理費・修繕積立金(合計○○円)について、 ○月○日現在、お振込みが確認できておりません。 行き違いで既にお支払い済みの場合はご容赦ください。 ご不明な点がございましたら、下記までご連絡ください。 ○○マンション管理組合 理事会 連絡先:____________
第2段階:督促状(文例)
管理費等の滞納に関するご連絡(督促) ○月○日付「お支払いのお願い」にてご連絡した件について、 ○月○日現在も入金が確認できておりません。 対象期間:○月分〜○月分 滞納額 :合計○○円 大変恐れ入りますが、○月○日までにお支払いをお願いいたします。 お支払いが困難な事情がある場合は、期限までにご相談ください。 ○○マンション管理組合 理事会 連絡先:____________
第3段階:最終通告(文例)
管理費等の滞納に関する最終通告 これまで複数回にわたりお支払いをお願いしてまいりましたが、 ○月○日現在も下記金額のお支払いが確認できておりません。 対象期間:○月分〜○月分 滞納額 :合計○○円 誠に遺憾ながら、○月○日までにお支払いまたはご相談のご連絡が ない場合、管理規約に基づき、管理会社・弁護士等と相談のうえ 法的手続きを含む対応を検討させていただきます。 ○○マンション管理組合 理事会 連絡先:____________
督促状に必ず入れるべき5つの要素
段階が変わっても、次の5つの要素は毎回もれなく記載します。抜けがあると、相手に「行き違いかもしれない」と受け止められたり、後の対応で証拠として使いにくくなったりします。
送付方法と記録
- 段階が進むほど送付方法を格上げする — 初回・督促は普通郵便やポスト投函でも構いませんが、最終通告に近づくほど、配達記録が残る方法での送付を検討します。
- 送付履歴を必ず残す — いつ・誰に・どの段階の書面を送ったかを記録しておくと、理事が交代しても経緯を正確に引き継げます。管理費全体の見直しについては「マンションの管理費を見直して削減する方法」もご参照ください。
- 入金確認のタイミングも記録する — 督促後に入金があった場合も、いつ解消したかを記録しておくと、次に同じ相手が滞納した際に経緯を踏まえた対応がしやすくなります。
督促状のNG例とOK例
NG例:「何度も催促していますが、まだ振り込まれていません。非常識だと思います。至急支払ってください。」
OK例:「○月○日付でご連絡した件について、本日現在も入金が確認できておりません。恐れ入りますが、○月○日までにお支払いください。お支払いが難しい事情がある場合は、期限までにご相談ください。」
NG例は感情的な言葉(「非常識」)を含み、相手との関係を不必要に悪化させます。OK例は事実(日付・入金状況)だけを淡々と伝え、相談の余地を残しているため、後のトラブルに発展しにくくなります。理事が交代しても同じトーンを保てるよう、テンプレートに沿って作成することをおすすめします。
よくある質問
督促状は内容証明郵便で送るべきですか?
初回・2通目の段階では、普通郵便やポスト投函でも問題ありません。内容証明郵便は「いつ・どんな内容を送ったか」を公的に証明できる手段のため、督促を重ねても改善が見られない場合や、法的手続きを見据えた段階で活用を検討します。費用と手間がかかる手段のため、最初から使うのではなく、段階を踏んだ上で切り替えるのが実務上の一般的な進め方です。詳しくは「マンション管理費・修繕積立金の滞納対応|督促から法的措置までの進め方」を参照してください。
滞納者の氏名を掲示板で公表してもよいですか?
避けるべきです。氏名や部屋番号の公表は、名誉毀損やプライバシー侵害のおそれがあります。「滞納を公にすれば支払ってもらえるのでは」と考えたくなる場面もありますが、かえって管理組合側がトラブルの当事者になりかねません。督促は必ず個別の書面・郵送で行い、掲示板などの共用の場での公表は行わないようにしましょう。詳しくは「管理費滞納者の氏名公表はできる?」で解説しています。
分納の相談に応じる場合、何に注意すればよいですか?
分納に応じる場合は、口頭の約束だけで終わらせず、分割回数・毎回の金額・支払期日を書面(合意書やメールなど)で残しておくことが重要です。書面がないと、後で「言った・言わない」のトラブルになりやすく、約束が守られなかった場合の対応も難しくなります。また、分納の途中で支払いが止まった場合にどう対応するか(残額の一括請求に切り替えるなど)も、あらかじめ合意書に盛り込んでおくと、その後の対応で迷いません。
賃貸に出している住戸が滞納した場合、誰に督促すればよいですか?
管理費・修繕積立金の支払義務は区分所有者(オーナー)にあるため、督促は区分所有者宛てに行うのが基本です。賃借人が実際の入居者であっても、管理組合と契約関係にあるのは区分所有者であり、賃借人に直接督促状を送っても支払義務を果たしてもらえるとは限りません。オーナーの住所が入居時と変わっていて連絡が届きにくい場合の対応は「賃貸オーナーへの連絡方法」も参考にしてください。
督促の記録は、どのように残すのがよいですか?
紙の控えだけで保管すると、理事の交代時に散逸しやすくなります。送付日・段階・相手の反応・入金確認日をまとめて記録し、クラウドの書庫などいつでも参照できる場所に保管しておくと、担当理事が交代しても対応の経緯を正確に引き継げます。特に長期化している滞納案件は、記録が途切れると「どの段階まで進んでいたか」が分からなくなり、対応をやり直す羽目になるため注意が必要です。
これから督促状を作る場合は、「【無料】管理費・修繕積立金 滞納 督促状テンプレート(Word・PDF)」を使うと、段階別の文例をそのまま利用できます。
まとめ
- 督促は、お願い→督促状→最終通告と段階を踏み、それぞれの段階で事実ベースの淡々とした表現を保つのが基本
- 未納額・対象期間・支払期限・振込先・相談窓口の5要素は、どの段階でも必ず記載する
- 氏名の公表や感情的な取り立てはトラブルを招くため避け、書面での個別対応を徹底する
- 督促を重ねても改善しない場合は、内容証明郵便や法的手続きへの移行を専門家に相談する
感情的にならず、相談窓口を示しながら段階を踏んで進めることで、無用なトラブルを避けつつ滞納の解消につなげられます。
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