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マンション総会を欠席するとき — 委任状・議決権行使書の出し方

公開日: 2026-07-01 / 更新日: 2026-07-28

「総会の日は仕事で出られない」「遠方に住んでいて出席できない」——マンションの総会に毎回出席するのは、意外と難しいものです。欠席する場合でも、意思表示をしないままだと自分の一票が反映されません。この記事では、総会を欠席する際の委任状・議決権行使書の違いと、書き方・注意点をできるだけ具体的に解説します。

欠席時の意思表示には2つの方法がある

総会に出席できない場合、次のいずれかの方法で意思表示ができます。

どちらも、総会の成立要件(定足数)を満たすために重要な役割を果たします。出席・委任状・議決権行使書のいずれもない場合、その組合員は「欠席・意思表示なし」として扱われ、定足数や決議の母数計算に影響することがあります。

そもそも当日出席しやすくする方法として、Web総会に切り替える管理組合も増えています。規約変更の要否や運用のポイントは「マンションでWEB総会・オンライン理事会を開く方法|規約と電磁的方法の実務」を参照してください。

委任状と議決権行使書を比較する

2つの書式の違いを整理すると、次のようになります。

委任状議決権行使書
議決権を行使する人受任者(代理人)自分自身(書面上で)
当日の議論の反映される(受任者の判断次第)されない(事前の記入内容のまま)
記入の負担比較的軽い(受任者を決めるだけ)やや重い(議案ごとに賛否を検討)
向いている人信頼できる代理人がいる/判断を任せたい人自分の意思を確実に反映したい人
定足数への算入多くの管理組合の運用で算入される多くの管理組合の運用で算入される

委任状と議決権行使書、どちらを選ぶべきか

迷う場合は、送付される総会資料(議案書)をよく読み、判断できる議案は議決権行使書で、判断が難しい議案は委任状でというように、案件ごとに使い分けることも可能です(管理組合の運用によって様式が異なるため、案内文の指示に従ってください)。議案書の読み解き方は「マンション総会の議案書の書き方とひな形」を参考にすると、提案理由・内容・採決方法のどこを見ればよいかが分かりやすくなります。

案内が届いてから提出するまでの流れ

提出までの流れを事前に把握しておくと、直前になって慌てずに済みます。

総会案内が届いてから委任状・議決権行使書を提出するまでの流れ。招集通知と議案書を受け取る、委任状か議決権行使書かを選ぶ、必要事項を記入する、提出期限までに提出するという4ステップを示す図
案内を受け取ったら、まず提出期限を確認してから記入に取りかかると安心

こんなときはどうする?ケース別の考え方

典型的なケースを知っておくと、自分の状況にあてはめて判断しやすくなります。

記入・提出のポイント

記入例で見るポイント

委任状の委任先欄は、書き方によって受任者の判断のしやすさが変わります。

NG例:「あとはよろしくお願いします。」(受任者欄が空欄のまま)

OK例:「受任者:101号室 山田太郎。第2号議案(大規模修繕工事)については賛成の方向で対応をお願いします。」

NG例は受任者が誰なのか、どんな意向を持っているのかが分からず、いわゆる「白紙委任」になってしまいます。OK例のように、受任者を明記し、必要であれば議案ごとの意向を一言添えておくと、受任者も判断しやすくなります。

よくあるNG例とOK例

委任状・議決権行使書の提出でつまずきやすいポイントを、NG例とOK例で比較します。

委任状・議決権行使書のよくあるNG例とOK例。忙しくて何も提出しない、受任者欄を空欄のまま提出する、議案ごとに確認せず一括で賛成にする、提出期限を確認しないという4つのNG例と正しい対応を対比した図
「必ず何か提出する」「期限内に」の2点を守るだけで、意思表示のトラブルの多くは防げる

テンプレートを用意しておくと管理側も楽になる

理事会・管理組合の立場からは、委任状・議決権行使書の様式をあらかじめ用意し、総会案内と一緒に配布しておくことで、組合員の記入ミスや提出漏れを減らせます。記入例つきの様式にしておくと、白紙委任や記入漏れも起きにくくなります。様式のひな形は「総会委任状のテンプレート」もあわせてご覧ください。総会の案内自体をどう周知するかについては「マンション総会の案内を確実に届ける方法」で解説しています。

紙の様式を配るだけでなく、案内文の中で「委任状と議決権行使書、どちらを選べばよいか」を一言添えておくと、組合員が迷わず記入に進めます。特に初めて総会に出席できない組合員は、そもそも2つの書式の違いを知らないことが多いため、案内文はできるだけ平易な言葉で書くことを心がけましょう。

よくある質問

提出期限までに海外出張中で郵送できない場合はどうすればよいですか?

出張前に委任状・議決権行使書を記入し、家族や知人に投函を頼んでおく、あるいは案内文に記載された管理会社の連絡先に事情を伝え、提出方法について相談するとよいでしょう。案内が届いた時点で早めに準備しておくと、こうした事態にも対応しやすくなります。

委任状を提出した後で気が変わった場合、取り消せますか?

提出期限内であれば、新しい委任状や議決権行使書を再提出することで、先に出したものを取り消せる運用が一般的です。取り消しの可否や手続きは管理組合によって異なるため、迷ったときは早めに理事会・管理会社へ確認しましょう。

配偶者や家族に代わりに記入してもらってもよいですか?

区分所有者本人の意思に基づいて記入されている限り、家族が代筆すること自体は実務上珍しくありません。ただし記名・署名や押印は、原則として区分所有者本人(またはその代理人として明記された人)の名義で行うのが基本です。

複数の住戸を所有している場合、委任状はどう扱われますか?

住戸ごとに議決権が発生するのが一般的なため、複数住戸を所有している場合は、住戸ごとに委任状・議決権行使書が必要になることがあります。詳しい取り扱いは管理組合の運用によるため、案内文の指示を確認してください。

委任状と議決権行使書を両方提出してしまったらどうなりますか?

どちらを優先するかは、管理組合ごとの運用(総会運営規則など)によって異なります。両方を提出してしまった場合は、理事会・管理会社に確認し、意図した方の意思表示が反映されるようにしましょう。

委任状の提出はオンラインでもできますか?

紙の郵送・投函が主流ですが、管理組合によってはオンラインでの提出に対応している場合もあります。対応の有無は各管理組合の案内文で確認してください。

議決権行使書に記入した内容を、後から誰かに見られることはありますか?

集計担当(理事会や管理会社)以外に開示されないよう管理するのが一般的です。取り扱いに不安がある場合は、開票・集計の運用方法を理事会に確認しておくと安心です。

委任状の受任者は、当日の議論次第で賛否を自由に変えてよいのですか?

委任者から特に指示がない場合、受任者は当日の議論を踏まえて自分の判断で賛否を決められるのが基本です。特定の議案について結論を決めてほしい場合は、委任状にその旨を書き添えておきましょう。

まとめ

総会を欠席する場合は、委任状か議決権行使書で意思表示をすることが、自分の一票を反映させ、総会の成立にも貢献する方法です。提出期限を守り、議案の内容に応じて委任状・議決権行使書を使い分けましょう。迷ったときは、白紙のまま出さず、受任者や意向を具体的に書き添えることが、トラブルを防ぐ一番のポイントです。

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