マンション総会の定足数・議決権割合・特別決議の要件とは
公開日: 2026-07-11 / 更新日: 2026-07-11
「総会は何人集まれば成立するのか」「規約変更にはどのくらいの賛成が必要か」――マンション総会の運営でつまずきやすいのが、定足数と決議要件の理解です。加えて、令和8年(2026年)4月1日に施行された改正区分所有法により、これらの要件が変わった点にも注意が必要です。
この記事では、総会の定足数・決議要件の基本と、改正によって何が変わったのかを解説します。
※本記事は執筆時点(2026年7月)の一般的な情報です。区分所有法・管理規約の解釈や適用は個々の事案により異なるため、実際の運用にあたっては国土交通省の最新資料や管理会社・専門家にご確認ください。
定足数・普通決議・特別決議とは
- 定足数:総会が成立するために必要な出席者(区分所有者・議決権)の割合
- 普通決議:日常的な議案(予算・事業計画の承認など)を決めるための決議。出席者の多数決で決まることが一般的
- 特別決議:規約の変更・大規模修繕の実施など、より重い議案を決めるための決議。区分所有者・議決権の割合が高い賛成(従来は各4分の3以上など)が必要
令和8年4月1日施行の改正区分所有法による変更
マンションの管理に関するルールの拠り所となる区分所有法が改正され、令和8年(2026年)4月1日に施行されました。総会の招集手続きをいつ開始したかによって、適用されるルールが異なります。
令和8年3月31日までに招集手続きを開始した総会
従来どおりのルールが適用されます。普通決議・特別決議のいずれも、法律上の定足数の定めはなく(総会を成立させるための出席人数は各マンションの管理規約で定めます)、割合は区分所有者総数・議決権総数(母数)を基準に判断します。特別決議は、区分所有者総数及び議決権総数の各4分の3以上の賛成が必要です。
令和8年4月1日以降に招集手続きを開始した総会
特別決議に必要な賛成割合「各4分の3以上」はこの改正後も変わりません。変わったのは次の2点です。①割合を計算する基準(分母)が「区分所有者総数」から「総会に出席した区分所有者・議決権」に変わりました。②特別決議には、区分所有者・議決権の各過半数の出席という法律上の定足数が新たに設けられました(これに満たない場合、決議自体が成立しません)。一方、普通決議には従来どおり法律上の定足数はなく、管理規約の定めによります。現在の総会運営はすでにこの改正後のルールが前提になります。
この改正の背景には、所有者が誰か分からない「所在不明区分所有者」が増え、母数(全区分所有者)を基準にした従来の決議要件では総会の成立・決議が難しくなっていた事情があります。改正により、割合の基準を「出席した区分所有者・議決権」に近づけることで、実態に即した運営がしやすくなったとされています。なお、建替え決議など各5分の4以上を要する決議は、母数を区分所有者総数のまま据え置いています。
自分の議案がどちらの割合・定足数にあたるか数値で確認したい場合は「総会 議決要件チェッカー」(無料)で判定できます。
自組合の管理規約は改正に対応しているか
区分所有法の改正にあわせて、国土交通省の標準管理規約(モデル規約)も見直されています。詳しくは「マンション標準管理規約とは|国土交通省の改正ポイント」を参照してください。
大切なのは、標準管理規約が改正されても、自組合の管理規約が自動的に変わるわけではないという点です。自組合の規約が改正法の内容に対応しているかを確認し、必要であれば規約の見直しを検討します。規約改正の進め方は「マンション管理規約の改正手続きの進め方」で解説しています。
総会運営で気をつけたいこと
- 招集通知を出す前に、現在の規約・法令のどちらのルールが適用されるかを確認する
- 定足数・決議要件の判断に迷う場合は、管理会社やマンション管理士に事前に確認する
- 議事録には、どの要件に基づいて決議が成立したかを明記しておくと、後の確認がしやすい
総会当日の進行については「マンション総会当日の流れと進め方」も参考にしてください。
まとめ
- 定足数は総会成立に必要な出席割合、普通決議と特別決議では必要な賛成割合が異なる
- 令和8年4月1日施行の改正区分所有法により、招集手続きの開始時期でルールが変わった
- 標準管理規約の改正内容を踏まえ、自組合の規約が対応しているかを確認することが重要
- 判断に迷う場合は管理会社・専門家に確認し、議事録に根拠を残す
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