マンションの騒音トラブル|苦情対応の手順と注意喚起の文例
公開日: 2026-07-10 / 更新日: 2026-07-10
マンションで最も多い苦情が騒音です。足音・話し声・楽器・掃除機・洗濯機・子どもの声・ペット・工事音――音の種類はさまざまで、「どこからが迷惑か」の線引きも人によって違うため、対応が難しいテーマです。
この記事では、理事会・管理会社が騒音苦情に対応する手順と、そのまま使える注意喚起の掲示文例を紹介します。基本的な考え方は「マンションの苦情・トラブル対応の進め方」も併せてご覧ください。
騒音対応の前提:管理組合ができること・できないこと
- 管理組合・管理会社は、共同生活のルール(規約・使用細則)に基づく注意喚起や周知を行えます。
- 一方で、個人間の損害賠償や「加害者の特定・処罰」を裁く立場ではありません。当事者間の解決や、法的判断(受忍限度を超えるかどうか)は、最終的には専門家・司法の領域です。
- また、音源の特定は難しいものです。「上の階だ」と思っても、実際は斜め上や配管を伝う音のこともあります。決めつけずに対応します。
段階的な対応手順
ステップ1:まず全体への注意喚起を掲示する
騒音の多くは「自分が音を出している自覚がない」ことが原因です。特定の住戸を名指しせず、全居住者向けの注意喚起から始めます。これで改善することも多く、当事者を追い詰めずに済みます。
ステップ2:苦情の内容を記録する
「いつ・どんな音が・どのくらいの時間」続いたかを、苦情を受けた側にも記録してもらいます。感情的な「うるさい」だけでなく事実を残すことで、後の対応判断がしやすくなります。
ステップ3:個別のお願い(改善しない場合)
全体掲示で改まらない場合、対象と思われる住戸へ文書で個別にお願いします。口頭は感情的になりやすく記録も残らないため、文書が基本です。
ステップ4:管理会社・専門家へ
改善せず実害が続く場合は、管理会社・マンション管理士・弁護士・自治体の相談窓口へ。理事会だけで抱え込まないことが大切です。
そのまま使える注意喚起の文例
文例①:全体向けの生活音への配慮のお願い(第一段階)
生活音へのご配慮のお願い
いつも共同生活へのご協力ありがとうございます。
最近、生活音に関するご相談が複数寄せられています。
マンションは音が伝わりやすい構造です。特に下記の時間帯は、足音・掃除機・洗濯機・お子様の遊び声・楽器・テレビの音量などにご配慮をお願いいたします。
・配慮をお願いしたい時間帯:夜9時〜翌朝7時
どなたか特定の方への注意ではなく、住民の皆さまへのお願いです。快適な住環境のため、ご理解とご協力をお願いいたします。
〇〇マンション管理組合
文例②:改善が見られない場合の再掲示(やや踏み込む)
夜間の騒音についての再度のお願い
先日ご案内した生活音への配慮について、引き続きご相談が寄せられています。
夜間(夜9時以降)の大きな足音・音楽・話し声などは、近隣のお住まいに影響します。心当たりのある方は、いま一度ご配慮をお願いいたします。
状況が改善しない場合は、管理組合として個別にご相談させていただくことがあります。何卒ご協力をお願いいたします。
〇〇マンション管理組合
文例③:工事・引っ越しなど一時的な音の事前告知(トラブル予防)
室内工事に伴う騒音のお知らせ
〇号室にて、下記の日程で室内リフォーム工事を行います。
期間中、作業音が発生することがあります。ご迷惑をおかけしますが、ご理解のほどお願いいたします。
・期間:〇月〇日(〇)〜〇月〇日(〇)/平日 9時〜17時
・お問い合わせ:管理員室
事前に告知しておくだけで、工事音への苦情は大きく減ります。音が出る予定は先回りして共有するのが有効です。
掲示のポイント(再確認)
- 個人を名指ししない:部屋番号や個人名を掲示すると、名誉・プライバシーの問題になり得ます
- 責めない・お願いの姿勢:対立を煽らない書き方に
- 確実に全戸へ届ける:掲示板を見ない世帯にも届くよう、お知らせの配信を工夫する。外国人居住者には電子化+ブラウザ翻訳で伝える
まとめ
- 騒音は全体への注意喚起→記録→個別のお願い→専門家の順で段階的に
- 音源は決めつけず、個人を晒さず、お願いの姿勢で
- 工事・引っ越しなど予定された音は事前告知でトラブルを予防
- 掲示・告知を電子化すれば、全戸への周知と記録・引き継ぎが楽になる
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