マンションの高経年化・建替え・敷地売却とは|選択肢を整理
公開日: 2026-07-11 / 更新日: 2026-07-11
築年数を重ねたマンションでは、いずれ「このまま修繕を続けるのか、建替えるのか」という大きな判断が必要になります。全国的にマンションの高経年化が進む中、建替えや敷地売却といった選択肢とその要件を早めに知っておくことは、管理組合にとって意味のあることです。
この記事では、高経年マンションが取り得る主な選択肢と、それぞれの制度上の位置づけを整理します。
※建替え・敷地売却に関する決議要件や手続きは法令に基づくものですが、詳細な適用は個別の事案により異なります。実際の検討にあたっては専門家・自治体・国土交通省の最新資料をご確認ください。
高経年化するマンションが直面する課題
- 給排水管・外壁・共用設備の老朽化が進み、修繕費用が増大する
- 耐震性など、現行基準に対して不足が生じている建物がある
- 区分所有者の高齢化・世代交代が進み、合意形成が難しくなることがある
こうした課題に対し、管理組合が取り得る選択肢は大きく分けて「修繕を継続する」「建替える」「敷地を売却する」の3つです。
選択肢①:大規模修繕を継続する
最も多くの管理組合が選ぶのが、長期修繕計画に基づいて修繕を継続する道です。適切に修繕を重ねることで、建替えを行わなくても長く住み続けられるケースは多くあります。費用相場・進め方は「マンション大規模修繕の費用相場・周期と進め方」で解説しています。
選択肢②:建替え
老朽化が著しく、修繕だけでは対応が難しい場合の選択肢が建替えです。区分所有法上、建替えの決議には区分所有者及び議決権の多数(従来は各5分の4以上とされてきました)の賛成が必要とされ、「マンションの建替え等の円滑化に関する法律(マンション建替え円滑化法)」に基づき、建替組合の設立など具体的な手続きが進められます。なお、区分所有法の見直しに伴い建替え決議の要件についても議論・検討が進められている状況にあるため、最新の要件は国土交通省の資料で確認することをおすすめします。
選択肢③:敷地売却制度
耐震性の不足など、除却の必要性について自治体の認定(特定要除却認定)を受けたマンションについては、マンション建替え円滑化法に基づく「敷地売却制度」を利用できる場合があります。この制度では、区分所有者・議決権・敷地利用権の持分価格の各5分の4以上の賛成により、マンションと敷地をあわせて売却する決議(マンション敷地売却決議)を行うことができるとされています。建替えに比べ、区分所有者が新たに費用を負担せずに住み替えられる可能性がある点が特徴です。
どの選択肢を検討するにも、まず必要なこと
- 建物診断で現状を正確に把握する:感覚ではなく、専門家による診断結果をもとに判断します
- 修繕委員会など検討体制を作る:理事会だけで抱え込まず、専門的に検討する体制を整えます
- 区分所有者への情報共有を続ける:建替え・敷地売却は特に合意形成の負担が大きいテーマです。検討状況をこまめに共有することが欠かせません
いずれの選択肢も、専門家(建築士・マンション管理士・弁護士等)や自治体の相談窓口へ早めに相談しながら進めることが大切です。
まとめ
- 高経年マンションの選択肢は「修繕継続」「建替え」「敷地売却」の3つに大別される
- 建替えは区分所有者・議決権の多数(従来は各5分の4以上)の決議とマンション建替え円滑化法上の手続きが必要
- 敷地売却制度は、要除却認定を受けたマンションが対象で、各5分の4以上の賛成による決議が必要
- いずれも建物診断・検討体制づくり・継続的な情報共有が土台になる
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