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マンション理事会・総会の議事録の書き方 — 項目とポイント

公開日: 2026-05-16 / 更新日: 2026-07-20

理事会や総会の議事録は、決まったことを残す大切な記録です。とはいえ「何をどこまで書けばいいのか分からない」という理事は少なくありません。この記事では、議事録の書き方を、記載項目・書くときのポイント・保管方法に分けて解説します。書式や記載項目そのものではなく、作成・署名・閲覧といった法的な義務については「マンション議事録の保管・署名・閲覧請求」で詳しく解説しています。

議事録はなぜ必要か

議事録は、単なる記録ではありません。

議事録がない、あるいは内容が曖昧な場合、後から「言った・言わない」のトラブルに発展したり、区分所有者から「本当に総会で決議したのか」と問い合わせを受けたりすることもあります。特に大規模修繕や管理費の値上げなど、金額の大きい議案ほど、議事録の正確さが後々の紛争予防に直結します。

特に総会の議事録は、区分所有法上も作成・保管が求められる重要文書です。作成・署名の法的な要件(押印の要否や保管期間の考え方など)は「マンション議事録の保管・署名・閲覧請求」にまとめています。

議事録に書く項目

理事会・総会の議事録には、最低限次を記載します。

理事会議事録と総会議事録の違い

基本の記載項目は共通していますが、理事会と総会では次の点が異なります。

理事会議事録総会議事録
出席者の記載出席理事の氏名出席区分所有者数・委任状/議決権行使書の数
決議の記載賛成多数・全会一致など簡潔に賛成・反対の具体的な数を明記
署名する人議長+出席理事2人が一般的議長+出席区分所有者2人
閲覧を求められる場面理事会内・監事監査時が中心組合員全体からの閲覧請求に対応

特に総会議事録は、賛成・反対の具体的な数を記載しないと、後日「本当に可決したのか」が確認できなくなります。決議要件そのものの考え方は「マンション総会の定足数・議決権割合・特別決議の要件とは」を参照してください。

総会の決議結果は、次のような形式で具体的な数を記載しておくと、後日の異議申立てにも対応しやすくなります。

議決権総数◯個中、出席(委任状・議決権行使書による出席を含む)◯個、賛成◯個・反対◯個により、本議案は可決された。

頭数だけでなく議決権数も併記しておくと、区分所有法上の決議要件(頭数と議決権割合の両方を満たす必要がある議案)を満たしたことを、後から誰でも確認できます。

作成から共有までの基本フロー

議事録は、会議が終わってからまとめて作ろうとすると、記憶が薄れて質が落ちがちです。次の4ステップを意識すると、負担を抑えながら質の高い議事録を作れます。

議事録作成から共有までの基本フロー。会議中にメモを取る、早めに下書きを作成する、議長・出席者が確認する、書庫に保管して共有するという4ステップを示す図
会議中のメモから始めると、下書きの負担が大きく減る

書くときのポイント

文例で見る書き方

実際の文例で比較すると、書き方のイメージがつかみやすくなります。

NG例:「駐輪場の増設について色々な意見が出たが、結局よく分からないまま終わった。」

OK例:「駐輪場の増設について、A理事から『先に利用者アンケートを実施すべき』との意見が出され、審議の結果、次回理事会までにアンケートを実施し、その結果を踏まえて再度審議することとした(担当:B理事、期限:次回理事会まで)。」

NG例は「何が決まったか」が読み取れず、後で見返しても意味を持ちません。OK例は、誰の意見をきっかけに・何を決めて・誰が担当するかまで具体的に読み取れます。

よくあるNG例とOK例

議事録の書き方で理事が迷いやすいポイントを、NG例とOK例で比較します。

議事録の書き方よくあるNG例とOK例。発言を逐語で記録する、決定事項が曖昧、個人の評価を書く、作成が数週間後になるという4つのNG例と正しい書き方を対比した図
「誰が・いつまでに・何をするか」を明記することが、後で見返したときに役立つ議事録の分かれ目

初めて議事録を書く理事へのアドバイス

輪番で初めて議事録担当になった場合、いきなり白紙から書こうとすると時間がかかります。前回・前々回の議事録を見本にして、同じ構成で項目を埋めていくと効率的です。また、会議の冒頭で「本日の議題」を議長が読み上げてもらうようお願いしておくと、項目立てがしやすくなります。分からない専門用語が出てきた場合は、その場で確認し、後から用語を調べ直す手間を減らしましょう。

スマートフォンの録音アプリやメモアプリを併用するのも有効です。発言をすべて書き起こす必要はありませんが、聞き逃した部分を後から確認できるようにしておくと、下書きの精度が上がり、確認のやり取りも減らせます。ただし録音する場合は、事前に出席者へひとこと伝えておくとトラブルを防げます。1〜2回経験すれば、自分なりの書き方のコツがつかめてくるので、最初から完璧を目指す必要はありません。

よくある質問

議事録に押印は必要ですか?

署名・押印の要否は、マンションの管理規約や運営細則の定めによります。押印を必須とする管理規約もあれば、署名のみで足りるとする管理規約もあり、一律のルールはありません。詳しくは「マンション議事録の保管・署名・閲覧請求」で解説しています。

議事録はどのくらいの期間保管すればよいですか?

総会議事録は、区分所有法上も作成・保管が求められる重要書類です。具体的な保管期間の考え方や保管場所の掲示義務については「マンション議事録の保管・署名・閲覧請求」に詳しくまとめています。

議事録の作成は理事本人がやらなければいけませんか?

議事録の下書き作成自体は、管理会社のフロント担当が代筆するケースも実務上珍しくありません。ただし内容の確認と署名は、議長および出席した理事・区分所有者が行うのが一般的です。代筆してもらう場合も、内容の最終確認は自分の目で行いましょう。

議事録はどのくらいの分量で書けばよいですか?

決まった文字数の基準はありませんが、A4用紙1〜2枚程度にまとまる分量が目安です。発言を逐語で書き起こすと分量が膨らみすぎて要点が埋もれてしまうため、「誰が・何を・どう決めたか」を中心に簡潔にまとめることを意識しましょう。

オンライン開催の場合、議事録の書き方に違いはありますか?

基本の記載項目は対面開催と同じですが、使用したWeb会議ツール名や、通信トラブルで一時退席した参加者がいた場合はその旨も記録しておくと、後から出席状況を確認しやすくなります。オンライン開催そのものの進め方は「マンション理事会をオンラインで開催する方法」「マンション総会をオンラインで開催する方法」で解説しています。

議事録作成の負担を減らす3つの工夫

議事録の質を保ちながら、担当者の負担を減らす工夫もあわせて紹介します。

議事録の保管と共有

完成した議事録は、保管と共有が大切です。紙だけで保管すると、理事交代で散逸したり、居住者が見たいときに見られなかったりします。クラウドの書庫に保管しておけば、紛失を防ぎ、居住者がいつでも閲覧できます(詳しくは「マンション管理規約・議事録・修繕記録をクラウドで保管する方法」を参照)。議事録の保管場所の掲示義務や閲覧請求への対応など、法的な観点は「マンション議事録の保管・署名・閲覧請求」で詳しく解説しています。

これから議事録を作る場合は、「【無料】理事会 議事録テンプレート(Word・PDF)」や「【無料】総会 議事録テンプレート(Word・PDF)」を使うと、必要項目を漏れなく埋められます。総会当日の進行そのものについては「マンション総会当日の流れと進め方」も参考にしてください。

まとめ

議事録は、日時・出席者・議題・経過・決定事項・宿題を、客観的かつ明確に書くのが基本です。会議中のメモから早めの下書きへとつなげる流れを作れば、負担を抑えながら質の高い議事録を残せます。完成した議事録はクラウドの書庫に保管し、欠席者や次の理事へ確実に引き継げる状態にしておきましょう。

議事録の書き方だけでなく、会議そのものを短く実りあるものにしたい場合は「マンション理事会の進め方」もあわせて参考にしてください。準備の段階から工夫することで、議事録に書く内容そのものも整理しやすくなります。

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